仮想通貨といえば「ビットコイン」が一番有名だが、その次に名前があがるのが「イーサリアム(Ethereum/ETH)」。

ビットコインは聞いたことあるけど、
イーサリアムって一体どんなものなの?
こうした疑問を持つ方は多いはず。
イーサリアムとは「ただのお金」ではなく、「アプリやサービスを動かす土台」となるもので、世界の仕組みそのものを変えてしまう可能性を秘めているからこそ、こんなにも注目されているんです!
私たちは、ちょうどインターネットが誕生した1990年代と同じ地点に立っています。
当時は「メールなんて誰が使うの?」「インターネットで買い物なんて怪しい」と言われていました。
でも今では、メールもネットショッピングも当たり前になっています。
イーサリアムも同じです。
「怪しい」と思われている今だからこそ、未来を先取りできるチャンスがあります。
この記事では、初心者の方でもわかるように、イーサリアムの基本やできることをわかりやすく解説します!
イーサリアムの歴史
イーサリアムとは、ビットコインに次ぐ人気を誇る仮想通貨の王様です。
イーサリアムは2013年にヴィタリック・ブテリン(当時19歳)によって開発されました。現在の時価総額は約5,600億ドル(約88兆円)規模で、ビットコインに次ぐ世界第2位の暗号資産です。

彼は2011年にビットコインに出会い、「お金をみんなで分散管理する」という発想に衝撃を受け、「みんなで分散管理できるコンピューターがあったら面白い」という発想のもと、イーサリアムを開発しました。
最初に売り出されたときの価格はわずか0.3ドル(当時の日本円で約30円)でしたが、その革新性から多くの支持を集め、現在(2025年11月)では50万円~60万円台を推移しています。
もしあなたが当時たった1万円分だけ買っていたら、今ごろ2億円以上の資産になっていた計算です。
イーサリアムの特徴
イーサリアムの特徴は下記の2点です。
正確にはプラットフォーム名である
イーサリアムと聞くと、つい「ビットコインみたいなお金でしょ?」と思ってしまいますよね。
でも、厳密には仮想通貨の名前ではなく、さまざまなサービスを動かすための「プラットフォーム」の名前なんです。

ビットコインが「デジタルの金貨」だとしたら、
イーサリアムは「アプリを動かすスマホのような存在」です
たとえば、スマホの中では、LINEやゲームアプリがありますよね。その“アプリを動かすための基盤”がスマホ本体です。
イーサリアムも同じで、仮想通貨を使ったゲームや銀行などのアプリを、イーサリアムの上に作ることができます。そして、その中で使われる燃料のようなお金が「ETH(イーサ)」です。
つまり、私たちが買っているのは「イーサリアム」ではなく、「イーサリアム上で使える通貨=ETH」なんですね。
発行上限がない
ビットコインの発行上限はプログラムによって2,100万枚と決められていますが、イーサリアムにはこのような制限がありません。そのため理論上は、無限に発行できる日本円のように、イーサ(ETH)一枚あたりの価値が薄れてしまう可能性があります。
しかし、イーサリアムには、手数料として使われたETHの一部が消滅する「バーン」という仕組みがあり、利用者が増えれば増えるほど、バーンされるイーサ(ETH)も増えるため、需要が供給を上回る場面では、むしろ価格が高騰する可能性もあります。

イーサ(ETH)は発行上限がないという弱点を、イーサリアムのバーンという仕組みで補っています。
イーサリアムのメリット3選
スマートコントラクトで”信頼”が自動化される
イーサリアムの核心にあるのが「スマートコントラクト」という技術。これは「契約を自動で実行するプログラム」のことを指しています。

たとえば、あなたが友達に「給料日にお金を返す」と約束したとします。でも、友達は不安。「ほんとに返してくれるのか?忘れない?」と。
そこでイーサリアムの出番。
あなたの口座から給料日に自動的に返済されるようにプログラムしておけば、友達は安心してお金を貸せます。
この仕組みのおかげで、仲介者や銀行がいなくても、約束が必ず実行される。つまり、世界中の誰とでも安心して取引が実行されるようになるんです。
中央管理者がいない自由な世界
あなたが何か新しいサービスを使いたいと思ったとき、必ず「登録」「本人確認」「審査」「手数料」など、いろんな“壁”がありますよね。それはすべて「中央管理者」がいるからです。
銀行なら銀行、SNSなら運営会社、アプリならApp Store。
つまり、誰かがルールを決めていて、私たちはそのルールに従うしかない。
でも、先述したようにイーサリアムの世界では違います。
イーサリアムは「誰かに許可をもらわなくても、世界中の人と直接つながれる」仕組みなんです。

たとえば、Uniswapというサービスでは、銀行口座も本人確認も不要。
スマホがあれば、世界中の人と仮想通貨を自由に交換できます。しかも、運営会社がないので「手数料を値上げします」「サービス終了します」といった一方的な変更もありません。
また、イーサリアムの開発言語「Solidity(ソリディティ)」を使えば、プログラマーは誰でも世界中で使われるアプリ「DApps(分散型アプリ)」が作れます。
DApps(ダップス):Decentralized Applicationsの略で、分散型アプリケーションのこと
App Storeの審査も、サーバー契約も不要。アップロードした瞬間、世界中の人が使える。
つまり、イーサリアムは“個人開発者でも世界規模のアプリを出せるインフラ”なんです。
新たなトークンを発行できる
イーサリアムには、新たなトークン(仮想通貨)を発行できるというメリットがあります。
・コイン:独自のブロックチェーンで作られる仮想通貨
・トークン:既存のブロックチェーンを借りて発行される仮想通貨
自分でゼロからブロックチェーンを開発するよりも、すでにあるイーサリアムの仕組みを借りたほうが、安くて簡単に新しい仮想通貨を作れるんです。

イーサリアムチェーンで発行されたトークンの例として、SHIB(ミームコインとして人気を集めるトークン)やUSDC(Circle社が発行するステーブルコイン)があります。
イーサリアムのデメリット
処理速度が遅い
イーサリアムが抱える大きな弱点は、処理速度が遅いことです。
イーサリアムは、安全性や分散性(みんなで管理する仕組み)を重視している反面、膨大なデータを素早く処理するのを苦手としています。

現在のイーサリアムは1秒あたり10件程度の処理能力しかなく、ビットコインよりは早いものの、VISAなどの決済システムと比較すると圧倒的に遅いです。
ただし、過去のアップデートでも徐々に改善されてきているので、今後に期待です。
ガス代(手数料)の高騰
イーサリアムの利用者が増えた結果、処理すべきデータが膨大となりました。
しかし、処理速度を上げることは簡単ではありません。ユーザーが多いほど、取引を優先して処理してもらうために高い手数料を支払う必要があり、その結果ガス代が跳ね上がります。

ディズニーランドのファストパスを思い浮かべるとわかりやすいよ。
アトラクションに並ぶことが嫌な人は、ファストパスを購入して待ち時間を短縮する。
それと同じことがイーサリアムでも行われています。
イーサリアムキラーの存在
先述したように、イーサリアムには処理速度は遅いことやガス代の高騰が問題として挙げられますが、これを解決するために「より速く、安く、使いやすい」チェーンが登場しました。
イーサリアムキラーの代表例はSolana (SOL)という仮想通貨で、高速・低コストで急成長しています。しかし、ネットワーク障害や開発者コミュニティの規模など課題も残されています

アプリ開発者の立場からすると、より多くの人に利用してもらうために、知名度と実績があるイーサリアムを選択する可能性が高いです。
また、イーサリアムは日々アップデートを重ねながら進化しており、2025年には12月には「Fusaka(フサカ)」 という大型アップグレードで、スケーラビリティ問題に真正面から取り組もうとしています。
イーサリアムがアップグレードを続ける限り、現在の地位は揺るがず、今後も加速度的に成長していくと思います。
イーサリアムの将来性
続々と新しいアプリが生みだされている
イーサリアムの将来性が期待されている理由は、今世界中で新しいアプリがどんどん生み出されているからです。イーサリアム上で使い勝手の良いアプリが生まれれば、その利用料であるイーサ(ETH)を利用したい人も増えます。

AppStoreに便利なアプリが増えるほど、iPhoneの価値も上昇していきました。
それと同じ原理ですね。
すでに世界中の企業や政府が注目しています。
・スイスやシンガポールの政府も、イーサリアムベースのデジタル通貨や行政システムを検討。
・NFTやメタバースの基盤としても、イーサリアムが利用
つまり、イーサリアムは「仮想通貨オタクの遊び」ではなく、世界のインフラになりつつあるんです。
権力集中を避けることができる
イーサリアムには、特定の管理者がいない分散型プラットフォームなので、現在の中央集権的な構造に対抗する技術として注目されています。

今の世界市場はGAFAが独占している状態といえます。
個人データの独占によるプライバシー侵害、競争排除による市場支配、政権との癒着による政治的影響などが懸念され、民主主義や市場の健全性を揺るがす存在となっています
私たちの生活はGAFAのおかげで便利になりましたが、富と権力が集中していることは好ましくありません。
一方、イーサリアムはスマートコントラクトにより契約が自動化されるため、仲介者不要で信頼を確保できます。検閲耐性が高く、地理的に分散したノードにより特定の国や企業に依存しないインフラを実現しているため、個人が主役となる経済圏を築き、GAFAのような巨大プラットフォームに頼らず自由なサービス提供が可能になります。
今後、GAFAによる市場独占がさらに問題視されるようになれば、イーサリアムのような分散型の仕組みがより注目を集めるはずです。
すでに投資家から大きな信頼を集めている
ETHの時価総額はビットコインに次ぐ2位をキープし続けています。
2024年には、イーサリアムは、米国証券取引委員会(SEC)がイーサリアムの現物ETF(上場投資信託)を承認をきっかけに、機関投資家の参入が大きな注目を集めています。
現物ETF:運用会社が実際に資産(イーサリアム)を保有し、その価格に連動して投資できる仕組みです。投資家は証券口座を通じて株式のように売買できるため、暗号資産を直接購入したりウォレットを管理したりする必要がなくなりました。
他にETF承認されているのはビットコインだけです。これだけハードルの高い米国証券取引委員会の審査をクリアできているのも、イーサリアムが信頼されている証拠です。
まとめ:未来のインフラに、今から触れてみよう
イーサリアムは、ただの仮想通貨ではありません。
それは「信頼を自動化する技術」であり、「中央に頼らずに生きるためのインフラ」であり、そして「未来のインターネットのOS」でもあります。
今はまだ難しそうに見えるかもしれませんが、インターネットがそうだったように、数年後には「知っててよかった」と思える日が来るはずです!
