「エージェントってどこも同じでしょ?」という声をよく聞きますが、実際は全然違います。
担当者がどれだけ企業を理解しているか、どんな求職者を得意としているか、社内の仕組みがどう動いているか。
これを知っているかどうかで、エージェント選びの精度は大きく変わります。
この記事を読むと、専門特化型(クイック・JAC・アサイン・マイビジョン)と総合型(リクルート・doda)、それぞれの実情と自分に合う登録先がわかります。
※そもそもエージェントの基本や「使うべきかどうか」から知りたい方は、先に転職エージェントは使うべきかを読んでおくと理解しやすいです。

総合人材企業で働く私が、転職エージェント担当者との情報交換を通じて把握している実情を、これから登録を考えている方向けにまとめます!
転職エージェントの種類(特化型エージェントと総合型エージェント)
| 総合型エージェント | 特化型エージェント | |
|---|---|---|
| 保有求人数 | 多い | 少なめ |
| 業界知見 | 浅くなりがち | 深い |
| サポートの特徴 | 大量の求人と求職者を効率的にマッチングするプラットフォーム型 | 手厚いサポートと専門知識が強み |
| 主な規模 | 大手が多い | 中小規模が多い |
| 向いている人 | 未経験から別業界を目指す人、志望業界をまだ絞れていない人 | 志望業界が決まっていて、経験を活かして同業界で転職したい人 |
転職エージェントは、大きく「総合型」と「特化型」の2種類に分けられます。
両者の違いは、主に業界知見の深さと保有求人数です。
特化型エージェントは、特定の業界での転職支援に強みを持ち、業界知見が豊富です。
その反面、保有求人数は総合型に比べて少なめです。
総合型エージェントは、保有求人数が多く、幅広い選択肢の中からあなたに合った求人を紹介してもらえます。ただし、業界知見は特化型に比べて浅くなりがちです。
サポート面にも違いがあります。総合型の大手エージェントは、膨大な求人と転職希望者を効率的にマッチングさせる、プラットフォームに近いビジネスモデルです。
一方、特化型の中小規模エージェントは、サポートの手厚さと知識の深さが強みです。大手と差別化するには、そこで勝負するしかないという事情もあります。
未経験から別業界を目指す場合や、志望業界(職種)をまだ絞り切れていない段階なら、選択肢の幅広い総合型がおすすめです。一方、志望業界がすでに決まっていて、経験を活かして同業界で転職したい場合は、特化型を使いましょう。

迷ったら「まず総合型で視野を広げ、業界が固まったら特化型を追加」という併用も有効です!
おすすめの特化型エージェント
ここからは、おすすめの特化型エージェントを紹介します。
特化型エージェントは、世の中に数多く存在します。その中には、求職者の利益よりも自社の利益を優先してしまうエージェントも、残念ながら存在します。
そこで本記事では、次の2つの基準で選んだ特化型エージェントを紹介します。
- 企業の人事担当者からの評価が高いこと
- 設立から年月が経ち、実績があること
クイック
有資格者・経験者向けの専門職の転職支援に強い、特化型エージェントです。
- これまでの経験を活かして、同じ職種でキャリアを伸ばしたい方(大きなキャリアチェンジは想定していない方)
- 有資格者・経験者向けの専門職種で転職したい方
主な紹介業種としては下記です。
製薬・医療機器関連職種
製薬業界
その他の業界
建築・土木・設備関連職種
電気・機械・化学関連職種(自動車業界・半導体業界含む)
IT関連職種
化粧品・消費財業界関連職種
管理部門関連職種
医療関連職種
※上記は一例で、これ以外の職種の紹介もあります。
1つの企業に何人もの担当者がつき、求人の職種ごとに担当が分かれているケースもあるほど、各企業に深く入り込んでいます。
各企業の状況を細かく理解しているからこそ、あなたに合う求人をピンポイントで紹介し、そのまま採用決定まで並走できます。

有資格者・経験者支援が中心です。方向性が定まっていない段階だと、他のエージェントの方が相談しやすい場合もあります!
JAC
管理職・専門職などの「ハイクラス転職」に強いエージェントです。
日系・外資を問わず、大手企業への転職実績が多いのが特徴です。
- 専門性やマネジメント経験を活かして、年収アップ・キャリアアップを狙いたい方
- 日系・外資の大手企業を志望している方
- 製造業・メディカル・IT・技術系などで、経験を活かして転職したい方
大手企業への転職実績が多い業種・職種は、下記のとおりです(数字は、大手へ転職した人に占める割合)。
業種別
特に多い(10%以上)
一定数(3〜10%)
少数(3%未満)
職種別
特に多い(10%以上)
一定数(3〜10%)
少数(3%未満)
※出典:JACリクルートメント公式記事(2026年8月31日公開)。大手企業へ転職した人の実績データをもとにした割合です。
JACはコンサルタントの質が高いです。
JACは、ハイクラス転職に特化した方針をとっています。そのため、コンサルタントがやり取りする相手は、人事担当者よりも役員クラスが中心です。管理職クラスや役員候補といった特定ポジションの求人は、人事ではなく役員クラスが握っているためです。
役員クラスと日常的に商談するには、相応の実力が求められます。そのため、JACは採用の段階から、学歴や職務経験の面で優秀層を採用しています。

管理職などのハイレイヤー層はJACへの登録がおすすめです!
マイビジョン
コンサル業界への転職に特化した、特化型エージェントです。
BIG4・戦略系・IT系など、国内に展開するほぼ全てのコンサルファームとつながりがあります。
- コンサルタントへの転職を目指している方(未経験・第二新卒も含む)
- ケース面接など、コンサル特有の選考対策をしっかりやってほしい方
- コンサルから、次のキャリアやステップアップを考えている方
紹介できるコンサル職種
主な紹介先ファーム
コンサルファーム出身者をはじめ、事業会社やエージェントで経験を積んだ人など、経歴の濃いアドバイザーが在籍しています。各ファームのカルチャーや選考の傾向を踏まえた提案ができるのが特徴です。
これまでの支援で得た選考結果をデータ化し、「どのファームのどの部門で、どんなケース問題が出たか」という傾向を対策に活かしています。元コンサルタントを面接官役にしたケース模擬面接も、繰り返し行ってくれます。

有名コンサル企業の書類選考基準は「MARCH以上の学歴」または「大手企業」に所属していることが、選考のスタート地点として求められることが多いです。学歴や所属企業に自信がない場合は、総合型に登録した方が選択肢は広がります。
ギークリー

IT・Web・ゲーム業界に特化した、特化型エージェントです。
職種ごとの専門アドバイザーが、45,000件以上(非公開求人を含む)の求人の中から、年収アップや自社開発、フルリモートなど、希望に合う会社を絞り込んで紹介してくれます。
- IT・Web・ゲーム業界で、キャリアアップ・年収アップを目指す方
- エンジニア・Webディレクター・デザイナー・ゲームクリエイター・IT営業など、専門職として転職したい方
- リモートワークや自社開発など、働き方にこだわって選びたい方
職種別の求人数
特に多い
その他
勤務地別の求人数
取引実績のある主な企業
事業会社
IT・ゲーム企業
※職種別・勤務地別の求人数は、公式サイトの検索ページの表示件数(2026年9月21日時点)です。
職種専門のアドバイザーが対応するため、技術や職種の話が通じやすく、経験の市場価値も伝わりやすくなります。
IT職種においては、各企業担当者からの信頼が熱いエージェントなので、経験を活かして転職したい方におすすめです。

関東圏×IT職種には強いエージェントですが、地方の求人数は多くないため、地方転職にはお勧めできません
MS-JAPAN

経理・財務、人事・総務、法務などの管理部門と、弁護士・公認会計士・税理士などの士業に特化した転職エージェントです。
この領域に絞って、35年以上の支援実績があります。
- 経理・財務、人事・総務、法務、経営企画など、管理部門で転職したい方
- 弁護士・公認会計士・税理士などの資格を活かして転職したい方
- 上場企業・外資系・IPO準備企業など、経験を活かして次のステージに進みたい方
紹介できる職種
管理部門
士業・事務所
その他の業種・ポジション
※1 MS-Japan利用者を対象としたアンケート結果(調査期間:2025年9月29日〜2026年3月11日)
※2 厚生労働省「人材サービス総合サイト」における、管理部門・士業領域に特化した有料職業紹介事業者の就職者数(2025年度実績)を自社集計したもの。特化の有無は同社が比較対象のウェブサイトを確認して判断しています。
出典:MS-Japan公式サイト
職種ごとの市場動向や、求められる経験・資格への理解が深く、管理部門・士業で転職するなら、まず相談しておきたい1社です。

専門知識や実務経験が必要な上位ポジションの求人が多いため、経験や資格に自信がない人は、総合型エージェントの登録がおすすめです!
おすすめの総合型エージェント
おすすめの総合型エージェントは、リクルートエージェントとdodaです。
リクルートエージェントは、AIによるマッチングに力を入れています。一方dodaは、カウンセリングをもとに、担当者が求人を紹介してくれる点に強みがあります。
ただ、両者に大きな差はありません。どちらか1社に絞るなら、エージェントサービスに加えて、自分で求人を探せる転職サイトも併せて使えるdodaがおすすめです。
リクルートエージェント
- 自分の希望条件がある程度明確で、幅広い選択肢の中から自分で選びたい方
- 未経験業界・職種へのキャリアチェンジを狙っている方
業界最大手で、取引企業数・登録者数ともに圧倒的な規模です。求人の幅が広く、未経験分野への「キャリアチャレンジ」がしやすいのが最大の強みです。
システムへのAI導入をかなり進めていて、求職者の希望と企業の希望を掛け合わせた求人を大量に送付し、マッチングさせる仕組みを取っています。そのため、親身なカウンセリングというより、大量の選択肢を機械的に提示してくれるタイプに近いです。

企業担当と求職者担当が分かれているため、社内コミュニケーションは取りにくく、伝言ゲームのようなミスが起きることもあります。CA1人あたり100人ほど担当しているケースもあり、決定しやすい求職者に注力する傾向が生まれやすいです。
doda
- 自分の希望を丁寧に棚卸ししながら、一緒に考えてほしい方
- 機械的なマッチングより、人とのやり取りを重視したい方
「転職エージェント」と「転職サイト」が合体したようなサービスになっていて、一つのアカウントでどちらも使えるのが便利です。
リクルートと同じ総合型で、求人の幅広さは共通の強みです。
リクルートとは対照的にAI導入はやや遅れている印象があり、CAが手動で求人を紹介する、カウンセリング重視のスタイルが特徴です。
転職エージェントに関するよくある質問
転職エージェントは本当に無料で使えますか?
無料で使えます。求職者から費用をもらうことはなく、採用が決まったときに、企業側が紹介手数料を支払う仕組みです。キャリア相談・書類添削・面接対策・条件交渉まで、追加料金はかかりません。
転職サイトとエージェントは、何が違いますか?
転職サイトは、自分で求人を探して応募する仕組みです。エージェントは、担当者がキャリア相談・求人紹介・書類添削・面接対策・日程調整・条件交渉までサポートしてくれます。自分のペースで探したいなら転職サイト、客観的なアドバイスや非公開求人がほしいならエージェント、と使い分けるのがおすすめです。
登録したら、必ず転職しないといけませんか?
そんなことはありません。情報収集や、自分の市場価値を知るためだけの登録でも問題ありません。ただ、紹介された求人や面談を断るときは、早めに連絡するのがマナーです。
初回の面談では、何を聞かれますか?
これまでの経歴、転職を考えた理由、希望条件(職種・年収・勤務地・転職時期)などを聞かれます。事前に、職務経歴を簡単にメモしておくことと、希望条件に優先順位をつけておくことをおすすめします。
エージェントに、登録を断られることはありますか?
あります。特に特化型は、経験や資格を条件にしていることが多く、条件に合わないと紹介を見送られることがあります。ただ、それは「市場価値が低い」という意味ではなく、単に相性が合わなかっただけです。その場合は、総合型や別の特化型に切り替えましょう。
転職活動は、今の会社にバレませんか?
登録しただけで、現職に知られることは基本的にありません。ただし、職務経歴書には現職名を書くので、応募先が今の会社と取引や関係がある場合は、事前にエージェントへ伝えておきましょう。面談は、勤務時間外やオンラインで受けるのがおすすめです。
複数エージェントの掛け持ちはバレますか?
基本的にはバレません。ただし、同じ企業に別々のエージェント経由で応募すると、企業側で重複が発覚し、選考が止まることがあります。応募先と、どのエージェント経由かを、自分でメモしておくと安全です。
総合型と特化型、両方登録すべきですか?
おすすめします。総合型で市場全体の求人を把握しつつ、志望業界・職種が固まっているなら、特化型も併用すると紹介の精度が上がります。ただ、登録しすぎると連絡対応が負担になるので、2〜3社程度に絞るのが現実的です。
担当者が合わない場合、変更や乗り換えはできますか?
できます。多くのエージェントには担当変更の窓口があるので、遠慮せず申し出て大丈夫です。合わない担当者のまま進めると、紹介される求人の質や、条件交渉の粘り強さにも影響が出ることがあります。早めに動くのがおすすめです。
連絡が多くて負担に感じるときは、どうすればいいですか?
最初の面談で、連絡手段(メール・電話・LINEなど)と、頻度・時間帯の希望を伝えておきましょう。希望に合わない求人は、理由を添えて断ると、紹介の精度も上がります。それでも改善しない場合は、担当変更を申し出ましょう。
年収交渉はエージェントに任せて大丈夫ですか?内定承諾を急かされたら?
基本的には任せて大丈夫です。希望額は、現年収やスキルなどの根拠と一緒に伝えると、交渉がスムーズです。ただ、エージェントの収入は、入社が決まった時点で発生するため、内定承諾を急かされることもあります。納得できないときは、回答期限を確認して、期限の延長を相談しましょう。
まとめ
こんなに長い記事を読んでくださり、ありがとうございました
ここまで、特化型5社と総合型2社を紹介しました。最後に、あなたの状況別に、おすすめの登録先をまとめます。
| こんな人は | おすすめの登録先 |
|---|---|
| 同じ業界・職種でキャリアアップしたい(技術職・有資格者) | クイック |
| 年収800万円以上のハイクラス転職をしたい | JAC |
| コンサル業界に転職したい | マイビジョン |
| IT・Web・ゲーム業界で転職したい | ギークリー |
| 管理部門・士業で転職したい | MS-Japan |
| 未経験分野に挑戦したい・幅広い選択肢から自分で選びたい | リクルートエージェント |
| じっくりカウンセリングを受けながら進めたい | doda |
専門特化型は、対応できる求職者の層が絞られる分、支援の精度が高いのが強みです。総合型は、選択肢の広さと引き換えに、担当者の当たり外れが出やすい面があります。
自分の状況と、ここまでの特徴を照らし合わせて、複数登録しながら比較するのが一番失敗しない進め方です。ただ、登録しすぎると連絡対応が大変なので、2〜3社に絞るのが現実的です。
専門特化型は対応できる求職者の層が絞られる分、支援の解像度が高い。
総合型は選択肢の広さと引き換えに、担当者の当たり外れが出やすい。自分の状況とここまでの特徴を照らし合わせて、複数登録しながら比較するのが一番失敗しない進め方だと思う。

エージェントに「使われる」んじゃなくて、自分が「使いこなす」側になろう。まずは2〜3社に登録して、比べてみるのが一番失敗しない進め方だと思う。

